【胸が痛い!肋間神経痛でない肋骨の痛み】
~根本的な治癒を促す鍼灸におまかせ~

1.はじめに

みなさん、こんにちは。
今回は「肋骨(あばらぼね)と鍼灸」についてのお話をしたいと思います。
胸部に痛みを覚えたことはありませんか?

2.肋骨の痛みとは?

いわゆる、肋骨の痛みは肋軟骨炎(ろくなんこつえん)と呼ばれ、肋骨と胸骨をつないでいる胸肋関節、または肋骨と肋軟骨の接合部に痛みを生じる疾患です。

特に40歳以上の女性に多いと言われています。
症状としては、主に胸部やあばらの痛みです。
痛みは上肢の運動や深呼吸を伴う活動に関連することが多く、重い物を持ち上げたり、くしゃみやせき、深呼吸などでも悪化します。

痛みの性質としては鋭い痛み、または圧迫するような痛みです。
一つだけでなく複数の肋骨に及ぶこともあります。
肋軟骨接合部痛、下部肋骨疼痛症候群かぶろっこつとうつうしょうこうぐんなどとも呼ばれることもあります。
はっきりした原因は無く発症することが多く、通常、腫れは認めません。


ただし人によっては肋骨と胸骨の間に腫れを伴うことがあり、この場合は別の病気の可能性があります。
肋軟骨炎は通常は数週間で自然に治まりますが、それ以上続くこともあります。


また改善と再発を繰り返すことがあります。

治療は鎮痛剤などの投与が中心ですが、数年続く際は、新しい治療法が必要となることもあります。


肋軟骨炎が胸痛の85%を占めるという報告もあります。
しかし、中には乳がんや心臓疾患の可能性ももちろん否定できません。
肋軟骨炎と乳がんの見分け方ですが、肋軟骨炎である場合、肋骨と胸骨の接合部、または肋骨の骨と軟骨の接合部にピンポイントの圧痛(押すと痛い場所)がある場合は肋軟骨炎の可能性が高いです。


ですが、ご自身で判断するだけでなく、乳がんのエコー検査(超音波の検査)をたくさんしているクリニックで検査を受けることや、マンモグラフィなどの乳がんの検査を受けることがおすすめです。

3.原因は?

現在のところ肋軟骨炎の病態は充分には解明されていませんが、これまでに分かっているところで言うと、外傷(胸部に何らかの強いダメージが加わったこと)、繰り返しの負担、肋骨のゆがみ、重い物を持ち上げる、ゴルフなども含めた激しい運動、激しい咳などの負担によって肋軟骨接合部に微細な損傷が生じて、それをきっかけに肋軟骨炎が生じると考えられています。


また、一部の患者さんは特定の関節炎(関節リウマチ、強直性脊椎炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎しょうせきのうほうしょうせいこつかんせつえん)に関連している可能性もわずかながらあります。


また、ウイルス、細菌などによる病原体が肋骨に感染して発症する可能性もあるとされ、さらには腫瘍によって肋軟骨炎を引き起こす可能性があります。

 
腫瘍は、乳房、甲状腺、肺など、身体の別の部分から関節に転移することがあります。

4.肋軟骨炎と肋間神経痛の違いとは?

肋間神経痛は、肋間神経という肋骨に沿って走る神経の障害による痛みです。肋軟骨炎は肋軟骨と肋骨との接合部に限局した痛みなので、肋間神経痛とは異なります。


詳しくはこちらをお読みいただければわかると思います。

5.治療法は?

肋軟骨炎の一般的な治療は、薬物療法や理学療法(一般的なリハビリテーション)による痛みの緩和がメインになります。


内服薬としては、ロキソニンに代表されるようないわゆる消炎鎮痛剤とともに、トラマールといった麻薬製剤も使われることがあります。


また、抗うつ薬の仲間であるサインバルタという薬や、抗てんかん薬のリリカ、ガバペンなどと言った神経の興奮を抑えるために使うことがあります。


抗うつ薬については、うつだから処方するということではなく、セロトニンという物質が足りなくなると痛みを感じやすくなることがわかっており、セロトニンを増やす目的で使います(うつ状態でもセロトニンが低下してしまうことが知られており、抗うつ薬にはセロトニンを増やす作用があるため)。


いずれも対症療法ですが、肋軟骨炎が重度でなければ数週間で自然に治ることから、その間の期間をしのぐために使うという意味合いがあります。

6.肋軟骨炎と鍼灸の関係とは?

前の項でお話ししたように、肋軟骨炎の一般的な治療は、薬物療法や理学療法(一般的なリハビリテーション)による痛みの緩和がメインになります。
そこで鍼灸による痛みの緩和の登場です。


背部、特に痛みが出ている肋間に関係する背骨の際、側胸部、前胸部の肋間神経に鍼灸を施します。


まず、筋緊張をほぐし、身体の状態を整え、刺激を減らすように努めます。
その上で、腹圧の調整、インナーマッスルへのアプローチを行い、体幹を支える力を整えます。


また、痛みにより全身に緊張も出やすくなっていますので、そちらの治療も同時に行うことで、治療の効果を高めることができます。
全身や幹部の血流が改善すると、硬くなっていた筋肉がほぐれ、身体の可動性がアップします。


筋肉の硬結こうけつも痛みに大きく関係していると言われているため、この治療法が非常に効果的であることが分かって頂けると思います。


そして透熱灸(熱いお灸)とせんねん灸(温かいお灸)を現代医学・東洋医学的理論から患者さんに説明し施灸します。


胸・側胸部、背中の刺鍼は気胸を起こすリスクが少なからずあり、不安に思う患者さんがいらっしゃるのではないでしょうか?


そこでお灸が安全で効果があり、痛みを取るだけではなく新陳代謝を高め、根本的な治癒を促すことになるのです。

7.まとめ・あとがき

いかがでしょうか。

それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。

まとめ

ここまでを読んで鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。
札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では、在宅診療も行っております。

詳しくは下記よりお問い合わせください。

それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

お問い合わせ

この記事をシェア

人気記事ランキング
About Me

弊社では、長きにわたり高齢者ケア専門の部署を設け高齢者に特化した治療活動をしてきました。

高齢者のお身体は一般成人の思った以上にデリケートで体調を崩しやすいです。

そのため症状改善の施術は一般成人の方とは異なり、高齢者向けの専門技術が必要だと考えています。
高齢化社会により、訪問鍼灸マッサージの利用は当たり前の時代になってきました。

深刻ではないものの改善できたら非常に助かる症状の方が利用されていることが大半です。

痛みやしびれのない生活を一緒に作っていきましょう。