【中高年の女性に多く見られる股関節炎】
~自分で出来るストレッチで健やかな毎日を~

みなさん、こんにちは。
今回は「股関節炎と鍼灸」についてのお話をしたいと思います。
普段の生活の中で股関節に痛みを感じたことはありませんか?
鍼灸がどんな役割を果たしているかについても触れていますので、ぜひご覧ください。

1.股関節炎とは?

股関節炎とは腰より下の、骨盤と脚の骨(大腿骨)を繋いでいる関節が痛むことが原因です。


骨盤と脚の関節部位は球状になっており、前後左右の複雑な動きができる特殊な関節になっています。
これは体重を支える、歩行動作を行うといった多方面からの負荷に耐えられるように関節軟骨と呼ばれる弾性組織で覆われ、衝撃吸収や動きの摩擦軽減をしています。


そのため、関節軟骨の減少や股関節周囲の筋肉が硬くなると、股関節の痛みや可動範囲が狭くなり、日常生活の影響が現れます。

主な症状は股関節痛ですが、時には大腿部痛や膝痛を訴える場合もあります。

痛めている方の股関節が脚を開いて、つま先を外側へ向ける姿勢(外旋がいせん)を取ることが多いのに対して、脚を前に出して、つま先を内側に向ける姿勢(内旋ないせん)がうまくできないことが多いです。
また、痛まないように歩こうとする特徴的な歩き方(逃避性跛行とうひせいはこうと呼ばれる)がみられ、脚を後方へひく動きや、脚を外側へ開く動きもかなり難しくなります。
あるいは座わったり歩行が困難になる場合もあります。
股関節は、骨盤にある臼蓋と大腿骨頭から作られていますが、この2つの接合部分にある関節軟骨が損傷することによって起きる変形性股関節症という病気もあります。
関節の老化による場合が多く、中高年期の女性に多く見られます。
初期症状としては、長時間の歩行や階段の昇り降りなどで痛みを感じます。
少し休むと楽になりますが、症状が悪化してくると、安静時にも痛むのが特徴です。
股関節の動きが悪くなるために転倒しやすくなったりする危険があるので、重症になると人工関節を入れる手術が必要になる人もいます。

2.股関節炎の特徴は?

腰椎椎間板ヘルニアは膝が笑う、つまり膝がガクガクする場合が多いですが、股関節炎の場合は膝が笑うことはほとんどありません。
また、腰椎椎間板ヘルニアの場合、そけい部が重く、痛みがありますが、股関節炎の場合はそけい部に痛みが生じる例は少数です。
坐骨神経痛の主な症状である大腿部痛は股関節炎でも発生しますが、坐骨神経痛が坐骨神経の走行(お尻の下側から大腿の裏)に沿って痛みが生じるのに対して、股関節炎は違うため、判断がしやすいと言われています。
腹部の腫瘍が原因で坐骨神経痛の症状が出て、股関節炎と区別がつきにくい場合もありますが、股関節炎は適切な治療を受ければ回復するのに対し、腫瘍による坐骨神経痛は延々と長引きます。
腫瘍による坐骨神経痛は、安静時から痛みがあり、痛みを感じる部分が移動しますが、股関節炎は痛みを感じる部位が移動する場合はほとんどありません

3.股関節炎の治療方法とは?

股関節炎は、股関節や臀部の筋肉が凝り固まっている際に痛みが現れるため、股関節周辺の筋肉を柔らかくすることで改善が期待出来ます。
股関節は前後左右に動けるため、他の関節に比べて多くの筋肉に支えられているので、痛む部位や動きを把握して、バランスを崩している筋肉を緩めることが重要になります。
セルフケアとしてのストレッチや湿布なども効果的です。
よくある「ひねる」「反る」ポーズはいきなりやると腰や股関節に負担がかかるため、まずは軽いストレッチからならして行くようにして下さい。
例えば洗顔や歯磨きなど「立つ」「歩く」動作で軽く股関節を動かしたあとで呼吸を整えてゆっくりと柔軟性を高めましょう。
まずは開脚の代わりのストレッチとして、床に座り、あぐらをかくようにして両足の裏をつけて、呼吸を整えながら足に体を近づけるように前屈します。
また、股関節の前側に効くストレッチは、まず左右いずれかのお尻を椅子に置く姿勢をとり、横向きになるように椅子に座ります。
椅子に掛けていない片方の足を軽く後ろに伸ばし、つま先を立てます。
その状態から関節の前側から太ももにかけての筋肉を伸ばすイメージで、椅子に腰掛けていないほうの足を後方に伸ばします。
1セットあたり40秒を目安に2〜3回繰り返し、さらに左右の足を替えて行います。
股関節の内側に効くストレッチは、椅子に座った状態で、左右いずれかの足を片方の膝の上に乗せます。
乗せた方の足の膝を下方向から外側にかけて押し下げます。
その状態で股関節の内側からお尻の筋肉を伸ばしながら上半身を前にゆっくりと倒します。
1セットあたり40秒を目安に2〜3回繰り返し、さらに左右の足を替えて行います。
股関節の後側(お尻)に効くストレッチは、仰向けの状態になり、左右いずれかの膝を両手で抱えた状態で胴体側に引き寄せます。
約15秒間、この姿勢をキープし、これを2セット繰り返した後、左右の足を替えます。
姿勢をキープする時は、反対側の足は伸ばした状態で膝が浮かないようにすることが大事です。

ストレッチの基本は、「気持ち良い・心地良い」と感じられる範囲で行うことです。

もしどちらか片方の足が痛い時には無理をしないようにしましょう。

4.股関節炎と鍼灸とは?

鍼灸は股関節周囲の硬くなった筋肉を緩め、過敏になった神経を鎮静させる効果があります
治療法としては、大殿だいでん筋や梨状筋(お尻の筋肉)、大腿だいたい部の筋肉など股関節周りの筋肉を刺激して、筋肉の血流を良くし、腰部から腸骨稜ちょうこつりょう(腰下部のベルトのライン)、仙骨(お尻の中心にある骨)、尾骨など局所への鍼を行います。
股関節の痛みの影響で、ふくらはぎ、アキレス腱もかなり緊張しているケースがあるので、ゆっくりとほぐすことも重要です。
また股関節や臀部でんぶを緊張させている要因が腰や膝の場合もあるため、股関節の動きだけでなく身体全体の動きから判断することが大切です。
実際に股関節痛だった方の中にも、膝裏の膝窩筋しっかきんといった深い筋肉が硬いことで股関節に痛みが現れていた方もいます。
それから長時間の歩行は、症状を悪化させる可能性が高いため、あまりせず、できるだけ安静を保つようにしてください。

5.まとめ・あとがき

いかがだったでしょうか?
それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。

まとめ

ここまでを読んで鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。

札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では、在宅診療も行っております。

詳しくは下記よりお問い合わせください。

それでは読んでいただき、ありがとうございました。

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About Me

弊社では、長きにわたり高齢者ケア専門の部署を設け高齢者に特化した治療活動をしてきました。

高齢者のお身体は一般成人の思った以上にデリケートで体調を崩しやすいです。

そのため症状改善の施術は一般成人の方とは異なり、高齢者向けの専門技術が必要だと考えています。
高齢化社会により、訪問鍼灸マッサージの利用は当たり前の時代になってきました。

深刻ではないものの改善できたら非常に助かる症状の方が利用されていることが大半です。

痛みやしびれのない生活を一緒に作っていきましょう。