【国指定の難病、4種のミオパチーを解説】
〜鍼灸は車椅子に乗ったまま施術可能!〜

【国指定の難病、4種のミオパチーを解説】
〜鍼灸は車椅子に乗ったまま施術可能!〜

2024年9月23日(月) 更新
目次

1 まえがき

みなさんこんにちは。

今回の記事も、国指定の難病と鍼灸について書いております。

2回目の今回は、ミオパチーという難病について焦点を当てて解説します。

この記事では、ミオパチーとはどういった難病なのかやミオパチーへの対処法、そして鍼灸がミオパチーに対して可能な治療法についてまとめています。

それでは早速、ミオパチーとはどういった病気なのかについて解説します。

2 ミオパチーとは

① ミオパチーの種類

国指定の難病であるミオパチーには、大きく分けて4つの種類があります。

ここではその4つを順に解説していきます。

A 遠位型ミオパチー

こちらの記事でご紹介したパーキンソン病や、前回こちらの記事でご紹介した筋ジストロフィー、今回ご紹介のミオパチーなどは筋肉に影響を及ぼす病気です。このような病気を筋疾患きんしっかんといいます。

筋ジストロフィーなど多くの筋疾患は体幹、つまり頭部と手足を除いた胴体から病気が進行する傾向があり、このような筋疾患を近位型きんいがた筋疾患といいます。

しかしながら、ミオパチーは手足から病気が進行する遠位型えんいがた筋疾患であり、基本的にはパーキンソン病と同じく手足から病気が進行していきます。

具体的には、座った姿勢から立ち上がることができないといった状態から病気が進行し、平均10年ほどの長い年月をかけて車椅子生活を余儀なくされます。

B ベスレムミオパチー

イギリス北部に多い難病で、10万人に約0.8人の患者がいると報告されています。

日本での報告例は非常に少なく、大半は病院に行っておらず未診断のままと考えられています。

なぜイギリス北部でこの病気が多いかなど、病気の詳細については現時点の医学ではわかっていません。

症状としては、10~20歳代より筋力の低下などが起こり、30年から40年後の50歳代頃に歩行障害を引き起こします。

病気になってから症状の悪化までが長く、筋力低下までが非常にゆるやかなことも、この難病の特徴です。

C 自己貪食空胞性ミオパチー

自己貪食空胞性じこどんしょくくうほうせいミオパチーは、全世界で100件ほどの家庭の発症報告しかなく、極めてまれな難病のひとつです。

日本ではこれまでに約30件ほどの発症報告があります。

人間に46個存在する染色体が原因の病気とされていますが、詳細については未だにわかっていません。

症状としては男性は10代、女性が30代に多く発症します。

そして、発症からそれぞれ10年ほどで亡くなってしまうことが多い重篤な難病です。

ちなみに、アメリカでは2020年に世界初となる遺伝子薬を使った治療が行われました。

しかし、この遺伝子薬治療を行った患者2名が亡くなってしまったため、現在では遺伝子薬治療が中止されています。

D 先天性ミオパチー

生まれつき筋肉の組織に何らかの異常があり、生後まもなく筋力が弱い・体が柔らかいなどの理由から病気の発症が見つかるミオパチーです。

海外の報告では10万人あたり6人程度が患者だといわれています。

このため、日本では6000人以上の患者がいるという計算になります。

ただし、日本と海外とでは日本のほうが患者数が半数ほど少ないといわれており、正確な日本の患者数は不明です。

② ミオパチーの共通点

ミオパチーの共通点として、4つの難病のうちすべてが遺伝する可能性があるという点です。

ただし、あくまでも遺伝する可能性があるというだけで、必ず親から子へ遺伝するとは限りません。

3 ミオパチーと戦う作家と作品

ここでは、ミオパチーと戦う著名人の方をご紹介します。

2023年に芥川賞を受賞された、市川沙央さおうさんです。
市川さんは先天性ミオパチーと診断されています。

市川さんは、中学2年生のときに疲れからか突然の金縛りにあい、大事を取って病院へ入院した翌日の昼食後に意識を失って以来、横になるときは人工呼吸器をつけて生活をされています。

思うように生活ができなくなってしまった市川さんは、20歳ごろから小説家を志すようになり、それから20数年を経ての芥川賞受賞となりました。

市川さんが芥川賞を受賞したのは、【ハンチバック】という純文学です。

以下でハンチバックのあらすじを少しだけご紹介します。

ハンチバック


主人公の井沢釈華しゃかは、重度障害を
抱えながら、親が遺した
グループホームで暮らしている。

彼女は通信制の大学で
論文を書きつつ、
取材を行わずインターネットの
情報のみで記事を書く
ウェブライターとして過ごす。

記事を書いて得たお金を
全額寄付に充てるなど
金銭的には裕福な彼女だが、
その一方で理想とする人間の姿に
葛藤を覚え、インターネット上で
過激な内容の書き込みを行い続ける。

ハンチバック


主人公の井沢釈華しゃかは、重度障害を抱えながら、親が遺したグループホームで暮らしている。

彼女は通信制の大学で論文を書きつつ、取材を行わずインターネットの情報のみで記事を書くウェブライターとして過ごす。

記事を書いて得たお金を全額寄付に充てるなど金銭的には裕福な彼女だが、その一方で理想とする人間の姿に葛藤を覚え、インターネット上で過激な内容の書き込みを行い続ける。

【ハンチバック】で芥川賞を受賞した市川さんは、過去に読書のバリアフリーを求める出版会への手紙が無視されてしまったり、20年にわたりライトノベルの新人賞に落選し続けた経験を踏まえ、授賞式の壇上でこう語りました。

「怒りだけで(ハンチバックを)書きました。ハンチバックで復讐をするつもりでした。
私に怒りをはらませてくれて、どうもありがとう。」

市川さんはまた、「重度障害者の芥川賞受賞はどうして2023年にもなって初めてなのか。それをみなさんに考えてもらいたいと思っております」とも述べています。

4 ミオパチーと鍼灸

ミオパチーにおかかりの方は車椅子生活を余儀なくされていることが多いです。

しかし車椅子に乗ったままでも、またはベッドに横たわりながらでも鍼灸は十分施術が可能です。

またミオパチーにおかかりの方に対しては、筋肉の維持や向上を目指す上で、常に一人一人の体調に合った施術を行います。

さらにミオパチーをはじめとした重度障害者受給者証をお持ちの方は、自己負担がなく医療負担が無料な場合もあります。

そのため、どうぞお気軽に鍼灸をお試しいただければと思います。

5 まとめ・あとがき

いかがでしょうか。

それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。

まとめ

ここまでを読んで鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。

札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では、在宅診療も行っております。

詳しくは下記をご覧ください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

お問い合わせ

    必須

    必須

    電話番号必須

    メールアドレス必須

    ご用件
    必須ご予約お問い合わせ

    ご予約希望院必須

    ご予約希望日 必須

    ご予約希望時間必須

    お問い合わせ内容必須1000

    必須

    この記事をシェア

    人気記事ランキング
    About Me

    弊社では、長きにわたり高齢者ケア専門の部署を設け高齢者に特化した治療活動をしてきました。

    高齢者のお身体は一般成人の思った以上にデリケートで体調を崩しやすいです。

    そのため症状改善の施術は一般成人の方とは異なり、高齢者向けの専門技術が必要だと考えています。
    高齢化社会により、訪問鍼灸マッサージの利用は当たり前の時代になってきました。

    深刻ではないものの改善できたら非常に助かる症状の方が利用されていることが大半です。

    痛みやしびれのない生活を一緒に作っていきましょう。