【重症筋無力症の治療法を解説】
〜諸症状は鍼灸によって負担軽減が可能!〜
みなさんこんにちは。
今回の記事でも難病と鍼灸の関係についてまとめています。
難病記事3回目の今回は、重症筋無力症について取り上げます。
この記事を読むと、重症筋無力症におかかりの方やご家族の方はもちろん、鍼灸や難病についてご興味のお持ちの方は有益な情報を得られるかと思います。
それでは早速、重症性無力症とはどういった病気なのかについて解説します。
重症筋無力症は、これまで記事にとして挙げたパーキンソン病や筋ジストロフィー、リウマチなどと同じく筋肉・神経系疾患の難病に分類されます。
重症筋無力症の症状は主に、体の同じ部位を動かし続けると筋肉が疲れてしまい、力が入らなくなってしまうことです。
重症筋無力症は、2009年時点では16.931人の患者さんがいらっしゃいました。
年々患者数は増加し、2018年には29,210人、記事執筆時点で昨年の2023年には約40,000人の患者さんがいらっしゃることがわかっています。(厚生省 全国疫学調査より)
なお、患者数が増加している経緯や原因は正確には不明ですが、高齢化が原因であるという見立てが強いです。
また、重症筋無力症の男女比率については、男性1人に対し女性1.2人から1.3人とやや女性に多い難病です。
ただし、重症筋無力症は遺伝することはありません。
重症筋無力症は、神経と筋肉のつなぎ目の異常が原因で起こる病気だと推測されています。
免疫は、細菌やウィルスなどが体内に侵入した際に私たちの体を守ります。
重症筋無力症は、この免疫が細菌やウィルスだけではなく、私たちの体をも攻撃してしまうために起こる難病だと考えられています。
なぜ免疫が私たちの体を誤って攻撃してしまうのかは、いまだに不明です。
重症筋無力症になると、前述したように体の部位を動かし続けると、筋肉がすぐに疲れてしまいます。
この筋肉の疲れによって、体にさまざまな悪影響が出ます。
重症筋無力症の症状としては、体の部位別に以下の6つがあげられます。
目の筋肉が疲れてくると、眼瞼下垂というまぶたが落ちてくる症状が起こります。
ものが重なって見える複視や、歪んで見える斜視などの症状も起こることがあります。
口の筋肉の疲れによって、ものを飲み込む際にむせたり、しゃべりづらさを感じることがあります。
顔の筋肉の疲れによって、笑顔や泣き顔などの表情がうまく作れないような症状が起こります。
手の筋肉が疲れてしまうと、持っているものを簡単に落としてしまったり、字がうまく書けなくなったりします。
足の筋肉の疲れにより、階段を上がれなくなったり、症状が重い場合はうまく歩けなくなったり自力で立てなくなります。
筋肉は目に見えない呼吸器とも密接な関係にあります。
肺の筋肉が疲れることで、突然うまく呼吸ができなくなります。
ちなみに医療用語では、突然危機的な状況が起こることをクリーゼと呼んでいます。
筋肉の衰えによって、呼吸器がクリーゼになり、上手く呼吸がしづらくなってしまうのです。
重症筋無力症には、薬物療法が効果的です。
重症筋無力症は、残念ながら完治を目指せる病気ではありません。
ただし近年の医学の進歩により、できるだけ少ない薬で日常生活の質を維持することが可能な病気になりました。
具体的な医学の進歩の例として一番大きなものは、重症筋無力症に対して続々と新しい薬が開発されていることです。
従来の治療では、体内の炎症や免疫力を抑えるために使われるステロイドという飲み薬を用いることが主流でした。
しかし2017年にソリリス、2022年にはウィフガートという新たな点滴薬が発売されたことにより、薬の選択肢が大きく広がり、薬の効果も上がっています。
ですので、これまでの薬によって症状の改善があまり見られなかった方は、一度専門医に相談し、薬の変更を検討してみてはいかがでしょうか。
ここまで、重症筋無力症について解説してまいりました。
この重症筋無力症を晩年に抱えつつも、華々しく舞台・映画に活躍した昭和を代表する俳優がいます。
歌舞伎・時代劇俳優の萬屋錦之介さんです。
萬屋さんは1932年、歌舞伎俳優の御曹司の四男として生まれました。
戦時中から戦後まもなくにかけて、女形として10代ながら人気を集めました。
しかし、歌舞伎界では長男が舞台の主役になることが伝統でした。
萬屋さんは四男であったため、将来的に主役級の歌舞伎役者になるのには難しい状態でした。
1954年、歌舞伎界では活躍が厳しい萬屋さんは、映画制作会社からのスカウトを経て、歌舞伎役者から映画俳優へと転身しました。
ちなみに萬屋さんは、あの美空ひばりさんと「ひよどり草紙」という映画で共演したのちに一時恋仲にもなっています。
萬屋さんは「宮本武蔵」シリーズなどで主演を果たすなど映画界で活躍しました。
また、テレビが普及し大衆の人気が映画からテレビへと移り変わったのをきっかけに、1973年にはテレビドラマ「子連れ狼」「赤穂浪士」の主演を演じるなど、多数のテレビドラマへの主演を果たしました。
そして歌舞伎界にも復帰し、数々の作品で主演を演じるなど、幅広く活躍されました。
数々の作品に出演を重ねた萬屋さんでしたが、1982年の歌舞伎公演中に突然倒れてしまいます。
すぐに病院に搬送され検査の結果、重症筋無力症と診断されます。
萬屋さんは長期の入院を余儀なくされます。
しかし、妻の淡路恵子さんの献身的な介護の甲斐もあり、2度の死の危険と大手術を乗り越え、1年3ヶ月で歌舞伎の舞台に復帰したのです。
萬屋さんのほかにも重症筋無力症を患った著名人がいます。
作家のA.A.ミルンが記した児童向け小説「くまのプーさん」に登場する主人公のモデル、クリストファー・ロビンは、晩年に重症筋無力症を患っています。
ちなみに、この小説でクリストファー・ロビンが誕生日に買ってもらったくまのぬいぐるみは、ディズニーキャラクターの【くまのプーさん】としてよく知られています。
重症筋無力症の症状に対して、鍼灸は非常に効果的に作用します。
例えば、先ほどあげた症状のうち、まぶたが落ちてくる眼瞼下垂や、ものが重なって見える複視という症状に対しては、目の周りのツボ押し・鍼治療を行います。
鍼灸は、血行を良くする作用や筋肉の収縮力・疲労耐性を上げる作用が期待できます。
また、鍼治療は数回から十数回にかけて定期的に行い、投薬による治療も並行して行うことが望ましいといえます。
先ほども述べたように、投薬治療で使われる薬の種類は年々豊富になり、治療法も幅広くなってきています。
重症筋無力症と診断された場合やその疑いがある場合には、できるだけ早く医療機関への受診と適切な鍼治療を行うことがよいでしょう。
いかがでしょうか。
それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。
まとめ
ここまでを読んで、鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。
札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では在宅診療も行っております。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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