【日常生活上にも起こる三叉神経痛】
~顔のツボを中心に鍼灸が有効!~

【日常生活上にも起こる三叉神経痛】
~顔のツボを中心に鍼灸が有効!~

2024年9月23日(月) 更新
目次

1.まえがき

みなさん、こんにちは。
今日は三叉神経(さんさしんけい)痛と鍼灸についてのお話をしたいと思います。
神経が刺激されることで、どのようなことが起こり、どのように対応すれば良いか、などをこの記事を読んでいただければわかると思います。
では、ご覧ください。

2.三叉神経痛とは?

三叉神経は、左右に一対あり、それぞれ顔面の半分の感覚をつかさどっている神経です。
三叉神経痛は、この神経が刺激されることで、伝わった情報が「痛み」として認識されてしまうもので、鼻の横や、歯ぐき、目の周りなどに、激痛が起こります。
また歯みがきや洗顔、冷たい風が顔に当たるなどの刺激が引き金(トリガー)になって、痛みが起こる場合も多々あります。
あるいは歯の病気と思い、歯科治療を受けられている方もみられます。
三叉神経痛の痛みは、人間が感じる痛みの中でも最も辛い痛みと言われていましたが、現在は有効な治療法がいくつか確立されています。

3.原因は?

三叉神経は、脳の中枢部分である脳幹から出ており、頭蓋底の骨を貫通していきます。
顔面痙攣がんめんけいれんとは違い、三叉神経はこの間のどこで刺激を受けても痛みを感じます。
わずか数秒の間に電気が走ったかのような痛みや刺すような痛み、おでこや頬、あごなど様々な部位の片側だけに感じたり、歯みがき、洗顔、化粧、食事、髭剃りなどをきっかけに起こる場合もあります。
また脳槽のうそうといわれる、脳の周りの髄液という水がたまっている部分で、曲がりくねった動脈が三叉神経を圧迫して起こる、あるいは脳腫瘍があることで、三叉神経痛が起こることもあります。
ごくまれですが、圧迫している血管がないにもかかわらず、三叉神経に原因不明なくびれが生じていて、手術により改善した方もいます。

この病気は一般的には男性より女性に多く見られ、40歳以上の方が多いと言われています。

4.治療法は?

①薬による治療

顔面痙攣と同じように、三叉神経痛も三叉神経への刺激が間違って脳に伝えられることにより起こります。
そのため神経の情報の伝わり方を低下させることで、痛みを抑えます。
抗てんかん薬の中で、カルバマゼピンという薬が三叉神経痛に対しては非常に効果が高いです。
ただ、カルバマゼピンには副作用が出る方がおり、じんましんのような薬疹が起こることがあります。

その他、肝臓の働きが悪くなったり、あるいは逆に肝臓の酵素を増やすことで他の薬の作用を弱めることがあります。
痛み止めの中ではプレガバリンという種類の鎮痛薬が有効な方もいます。 このような内服薬で有効な方でも、次第に量を増やさないとコントロールできなくなることも多く、その場合には眠気、めまい、ふらつきなどで日常生活に支障が出ることも多く経験されます。

②神経ブロック

顔から針を刺して、三叉神経のなかの神経節と呼ばれる部分に麻酔薬を注射したり、熱を加えて三叉神経をまひさせることで、痛みが伝わるのを防ぎます。
主にペインクリニックで行われる治療法です。
長所は手術と比べると簡単で便利な点であることです。
短所としては、時間が経つにつれて効果が薄れてくるため、半年から2年くらいの頻度で治療を繰り返す必要があることと、歯医者さんで麻酔をしたときのように、顔がしびれた感じになることですが、約9割の方では高い満足が得られるといわれています。

③ガンマナイフの使用

ガンマナイフはガンマ線という放射線を、虫眼鏡で紙を焼くように、ごく狭い範囲に集中させることで、この狭い範囲にエネルギーを集めて病変を「く」治療法です。
三叉神経痛に対しては2015年に保険が通りましたが、三叉神経をガンマ線で灼いて、いためることで痛みを治す治療です。
フランスのグループからの報告(2015年)では、91%の方が治療後10日以内に痛みがなくなり、治療後3年で71%、10年で45%の方が内服薬なしで痛みもない状態を維持できていた、としています。
しびれ(感覚低下)は、およそ5人に1人の割合で起こり、改善はないようです。

④手術

上記3つの治療法に比べて効果的かつ根治的な治療法であり、顔面痙攣の手術同様に積極的に行われています。
三叉神経痛は三叉神経に動脈や脳腫瘍が接触して起こっているため、これに対して直接操作を行って治療します。
病気の原因に対する治療になるため、根本的な治療と言え、約9割の方は、内服や通院の必要がなくなります。
また、動脈が圧迫している三叉神経痛の場合には、耳の後に5cm程度の切開をおき、10円玉くらいのあなから三叉神経をのぞき込んで、当たっている動脈や静脈を移動させ、三叉神経の周りのクモ膜を切開して捻れがおこらないようにします。
欠点としては、全身麻酔が必要であり、入院治療(10日程度)が必要なこと、手術の合併症のリスクがあります。
手術で起こりうる合併症としては、同じ側の聴力低下、二重に見えるようになること、同じ側の顔のしびれ、傷の感染や髄液漏れなどが2〜3%です。
また、10年間で約8%の再発の可能性があります。
ただ生命にかかわることは基本的にはありません。

5.鍼灸的アプローチとは?

三叉神経痛の鍼灸治療は、中枢神経と脳内ホルモンを変化させることを目的に、中枢神経に近いツボや経絡(気の通り道)に施術をします。

耳門じもん顴髎けんりょう太陽たいようなどを選び鍼による治療をします。
また、風池ふうち天柱てんちゅう頬車きょうしゃ四白しはく翳風えいふうを鍼で刺激します。
顔面のツボだけではなく、身体全体のバランスをとるように考慮して腕と脚にも施術を行います。
痛みのひどい部位に強い刺激を与えると、身体が硬直してよい治療効果が得られないので、顔面に対しては弱い刺激を与えることもあります。
また日常生活のアドバイスとして冷たい風にあたることが誘因になる場合もあるので、外の冷たい空気やエアコンの風に直接あたらないようにする、刺激物を食べると、口内の粘膜を刺激して神経が興奮するため、症状が悪化するケースもあるのでビタミンB・Cの摂取を心がける等があります。

6.まとめ・あとがき

いかがでしょうか。

それでは、ここまでの内容をまとめます。

まとめ

ここまでを読んで鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。
札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では、在宅診療も行っております。

詳しくは下記よりお問い合わせください。

それでは読んでいただき、ありがとうございました。

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    About Me

    弊社では、長きにわたり高齢者ケア専門の部署を設け高齢者に特化した治療活動をしてきました。

    高齢者のお身体は一般成人の思った以上にデリケートで体調を崩しやすいです。

    そのため症状改善の施術は一般成人の方とは異なり、高齢者向けの専門技術が必要だと考えています。
    高齢化社会により、訪問鍼灸マッサージの利用は当たり前の時代になってきました。

    深刻ではないものの改善できたら非常に助かる症状の方が利用されていることが大半です。

    痛みやしびれのない生活を一緒に作っていきましょう。