【フランスのあの画家もリウマチだった】
〜リウマチの薬物療法と併用できる鍼灸〜
みなさんこんにちは。
今回の記事は、リウマチと鍼治療についてまとめました。
早速ですが、以下のような症状はありませんか?
① 起床したとき、指や手がこわばったりしびれたりする
② 指の関節が腫れている
③ はし・はさみ・ホチキスが上手に使えなくなった
④ ドアノブや自宅のカギが回しづらくなった
⑤ 腕や手を取り外したいくらい、体が重く感じる
今回の記事では、リウマチと鍼治療について解説しています。
特に、先ほどのチェックシートに書かれている内容にどれか1つでも当てはまった方は必見の内容です。
ぜひ本稿をご覧になり、鍼治療によるリウマチ解消法について知る機会になれば幸いです。
1.リウマチとは?
① リウマチの語源と歴史
リウマチの痛みは水の流れのようにあちらこちらへと移ることから、ギリシャでロイマという名前の病気として古くから知られていました。
ちなみに、ギリシャではいまから2500年前頃からロイマ、すなわちリウマチは病気であるという認識だったようです。
リウマチと診断された著名な画家として、「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」などで知られるフランスのルノワールが有名です。
ルノワールは69歳のとき、リウマチと診断され絶望を覚えたようです。
しかし、彼は病気のショックから見事に立ち直ります。
車椅子に乗りながら亡くなるまでの9年間、絵や自伝を書きながら、ピカソなど後輩の画家たちの指導にあたりました。
② リウマチの原因
リウマチの根本的な原因は、現代医学でもはっきりと解明されていません。
ですので、ここからは現代医学で明確になっている範囲で、リウマチの原因をお伝えします。
人間の身体には生まれつき免疫が備わっています。
この免疫が何らかの異常を起こし、本来ならば身体を守るはずの骨や組織を、誤って敵とみなして攻撃して壊してしまうのがリウマチです。
なぜ免疫が誤って人間の骨や組織を壊してしまうのかはわかってはいませんが、過労、ストレスや出産、ウイルス感染などが原因でリウマチになることが多いといわれています。
③ リウマチのかかりやすさ
日本のリウマチ患者の数は70万人から100万人といわれ、1万5000人ほどが毎年の新規患者です。
日本の全人口から見た割合は多くても1%ほどで、他国のリウマチ患者割合もだいたい同じ比率です。
年齢別で見るとリウマチ患者は30代から50代が最も多く、男女別で見ると男性1人に対し女性5.3人と、女性に多く見られる病気です。
また、喫煙者は非喫煙者よりもリウマチの発症率が高いというデータがありますが、原因はよくわかっていません。
またリウマチが両親や祖父母などから遺伝する病気かどうかについては、医師によって見解が真っ二つに分かれています。
④ リウマチの症状
リウマチは、症状が活発な時期とそうでない時期がはっきりしています。
活発な時期にのみ微熱や体力減少、起床時の関節のこわばりや関節炎が起こります。
ここからは、リウマチの症状について具体的にみていきます。
A 関節以外の症状
リウマチによって、微熱や体力減少、目の乾きや息切れ、全身の倦怠感や食欲不振などが起こります。
B 起床時に関節がこわばる症状
関節がこわばる症状は、起床から30分以内に非常に出やすい傾向です。
起床後しばらくたってからは症状が落ち着いていきます。
こういった症状の特性から、朝の身支度や朝食の準備をしているときに気づきやすい傾向です。
関節の痛みや腫れの症状は指の第2関節にかけて、左右対称に出やすいのも特徴的です。
C 関節炎
軽度のものからそうでないものまでさまざまです。
先ほどのチェックシートに書いたような症状は比較的軽度な症状ですが、重度の症状になると手足の関節が破壊され、指が短くなってしまったり脱臼しやすくなってしまい、最終的には手指が動かなくなります。
リウマチの初期症状に気づいた際は、まずは最寄りの医療機関へできるだけ早い受診をおすすめします。
2.リウマチの診断基準
姫路医療センターの診断基準は、早期診断の重要性のために2010年に米国リウマチ学会/ 欧州リウマチ学会の提唱した新分類基準を用いています。
少し難しい話になりますが、ここでは詳細を説明したいと思います。
①炎症反応 (CRP、赤沈)
②リウマトイド因子、抗CCP抗体 (ACPA; anti-citrullinated protein antibodies)
③骨びらん (X線)
関節リウマチの診断、活動性の評価を行うために関節の理学的所見に加え、血液検査、関節X線検査を行うことが重要です。
血液検査では、関節の炎症の程度を表す炎症反応、また免疫学的異常を表すリウマトイド因子、抗CCP抗体 (ACPA)を測定します。
また、「骨びらん」と呼ばれる虫歯のような骨破壊増が、関節X線に認めることがあります。
④肝機能、腎機能、貧血、脂質、糖尿病、検尿などの一般的検査
⑤感染症 (結核, 肝炎ウイルスなど) のスクリーニング
⑥胸部X線検査
治療開始後もお薬の副作用のモニタリングのため定期的に同検査を行う必要があります。
3.リウマチに対する治療
①リウマチへの一般的治療法
リウマチへの一般的な治療法は、薬物療法です。
具体的には、ステロイドとよばれるホルモン剤の一種や、リウマチの進行自体を止める抗リウマチ薬などを摂取します。
ただし、後にも述べますが薬物療法によって多汗や生理不順など、薬が不十分であった昔に比べ、現在は痛みなどの症状がほとんどない、いわゆる寛解を十分目指せるようになっています。
寛解のためには、リウマチの早期発見が大切です。
②リウマチへの鍼治療の効果
ここからはリウマチに対して、鍼治療でどのような対処ができるかをご紹介します。
リウマチになると、関節や指先部分の血液の循環がうまくいかなくなります。
このため鍼治療によって血液をうまく循環させ、新陳代謝を促進させることで老廃物を取り除きます。
鍼治療によって血流を改善させることで、指先のみならず全身にも新鮮な血液が循環しやすくなり、リウマチによる痛みが改善されます。
また、鍼治療は免疫力の向上にも大きく期待できます。
鍼治療には自律神経を正常に導く作用があるのは、この記事で説明したとおりです。
免疫力の向上によって先ほどあげたような副作用が生じづらくなり、健康的な体へと近づきます。
③ 鍼治療を行う上での注意点
なぜなら、リウマチは薬物療法でしか進行を止められないからです。
鍼治療はリウマチに非常に効果的ではありますが、薬物療法では取れない痛みを取り除いたり、先ほどの副作用を生じさせづらくするために行います。
そのため、鍼治療と薬物療法は並行して行うようにするのが望ましいです。
また、リウマチを受診している主治医の許可を取った上で鍼治療を行うようにしましょう。
リウマチでは、免疫の抑制作用が強い薬を処方される場合もあります。
このような薬を服用した上で鍼治療を行ってしまうと、免疫が強く抑制されすぎるあまり別の副作用が出る場合が考えられます。
必ず、主治医の許可を得た上で鍼治療を行いましょう。
4.まとめ・あとがき
いかがでしょうか。
それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。
まとめ
- リウマチの原因については、はっきりと解明されていない部分が多いです。
- リウマチは男性より女性のほうがかかりやすく、日本人口の1%ほどがリウマチ患者です。
- リウマチの症状としては、微熱や体力減少など関節以外の症状と、起床時に関節がこわばったり関節炎を起こす症状の2つがあります。
- リウマチの診断基準は早期診断のために主に6つの項目に当てはまるかなど、少し難しい話になります。
- リウマチの治療には薬物療法と鍼治療を併用して行うことが大切です。
- 鍼治療は、リウマチを受診している主治医と連携しながら適宜行うことも重要です。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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