【脊髄損傷に鍼灸が効果的な3つの理由】
〜諸症状に対応する鍼灸は万能!〜
みなさんこんにちは。
今回の記事では、脊髄損傷と鍼灸についてまとめています。
そもそも脊髄が損傷してしまう原因から脊髄損傷による症状、そしてその症状にどのような処置ができるのかについてもまとめています。
何らかのご事情で脊髄が損傷してしまった方はもちろん、脊髄損傷に対して鍼灸ができることについてご興味のある方は特に読んでくださると、有益な情報を得られるかと思います。
それではまず、脊髄が損傷してしまう原因から解説を始めてまいります。
1.脊髄損傷の主な原因
脊髄が損傷してしまう原因は、大きく分けて2つあります。
① 外的要因
サーフィンやダイビング、スキーなどの事故での脊髄損傷は、若年層に多くみられます。
また、交通事故の後遺症により、脊髄が損傷することも多くあります。
そして、骨折によって脊髄が損傷することも多いです。
② 高所からの落下
主にご高齢の方に多い傾向です。
冬のニュースなどでは、豪雪地帯でご高齢の方が屋根の上での雪おろし中に滑落し、怪我を負ったというニュースもよく耳にしますよね。
骨自体は固定術などでなんとか固定することはできます。
しかし脊髄は一旦損傷してしまうと、回復させることは極めて難しいです。
雪おろしや階段・脚立を登っての物の取り出しの際は、十分お気をつけください。
2.脊髄損傷の種類
脊髄損傷には、完全損傷と不完全損傷の2種類が存在します。
① 完全損傷
文字通り脊髄が完全に損傷してしまうことです。
脊髄が完全損傷してしまうと、脊髄の機能は完全に失われます。
そもそも脊髄には、脳からの命令を体の各部位に伝えるという大事な役割があります。
脊髄自体が損傷してしまうと、体に起きた痛みが各部位に伝わることはありません。
そのため、痛みを感じる痛覚という感覚が完全になくなってしまいます。
また、脊髄が完全損傷することによって、下半身の完全麻痺など体に甚大な影響が出ます。
②不完全損傷
不完全損傷の場合は、脊髄の一部の機能は残っています。
ある程度は脊髄の機能が痛覚が残っている軽度な脊髄損傷や、痛みを感じる感覚は減ってしまってしまっているものの、痛みを伝える機能は残っている重度な脊髄損傷など、程度についてはさまざまです。
3.脊髄損傷による合併症
脊髄が損傷すると、麻痺以外にもさまざまな合併症を発症することがあります。
ここでは、脊髄損傷の中でも不完全損傷の合併症についてご紹介します。
① 呼吸器合併症
重い不完全損傷の場合に起こる場合が極めて高いです。
最悪の場合、人工呼吸器が必要不可欠になる場合もあります。
脊髄損傷による合併症のうち、いちばん重大なものといえます。
② 循環器合併症
脈拍が遅くなったり、起床時に低血圧となります。
高血圧・脈拍の遅れは、特にご高齢の方にとってはさらなる合併症を招くことがあります。
このため非常に注意が必要な合併症です。
また、足が動かしづらくなることで、飛行機搭乗時に起こりやすいエコノミークラス症候群となる可能性もあります。
エコノミークラス症候群とは、食事や水分を十分に摂らない状態で長時間同じ姿勢でいることによって、血行不良がおこる症状です。
③ 消化器合併症
下半身の強い麻痺から、お通じや排尿に悪影響が出る場合もあります。
また、十二指腸や小腸などの腸機能に影響が出る場合もあります。
4.脊髄損傷と鍼灸
ここでは、脊髄損傷で起こる合併症に対して、鍼灸でどのような対処ができるかをまとめています。
① 呼吸器合併症への対処
脊髄損傷により、呼吸器系機能が虚弱になってしまっていることから合併症が起こってしまいます。
ぜん息状態や咳・たん・動悸などが出やすい比較的軽い呼吸器合併症であれば、鍼灸による対処が十分可能です。
たとえば咳が出やすい方であれば、対面での診察の上、咳を出にくくするツボを鍼治療によって刺激していきます。
また脊髄損傷の術後のストレスや疲れ・不眠などによって、呼吸器に不調がみられる場合もあります。
このため、事前の診察によって呼吸器の不調の原因を突き止めた上で、ひとりひとりにあった施術を行います。
② 循環器合併症への対処
循環器合併症によって引き起こされる循環器の症状に対しては、薬物療法・食生活の改善などと適切な鍼治療を並行して行うことが何より大事です。
また、鍼治療とは違った治療法と、鍼治療とを組み合わせることは、循環器合併症の治療にかなりの効果が期待できます。
鍼治療によって脳にとって気持ちのいい刺激を与えることで、ストレス解消や老廃物の新陳代謝力を高めます。
③ 消化器合併症への対処
こちらの記事ですでに解説したように、鍼治療はお通じやお腹の症状に非常に効果的です。
排尿や腸環境のお悩みに関しても、鍼治療は効果をいかんなく発揮します。
鍼治療は血流を促進させ、たまった老廃物は体外へ流れ出ようとするので、利尿作用にも効果が期待できるといえます。
5.脊椎損傷の予防とは
まずは「ケガに合わないこと」が最も重要だとし、住宅環境や労働環境などの社会環境の整備や、交通機器の進歩や改良など、単に医療だけの問題ではなく、社会全体の問題となります。
また医療だけで解決できる予防手段として、「脊髄損傷となりやすい人を早期発見する」という方法があります。
日本では頚椎部での脊髄損傷が多く、なかでも「高齢者の非骨傷性頚髄損傷」が増加し続けています。
このため、頚椎部の脊柱管狭窄症を早期発見することが重要と考えており、既に一部の病院では、人間ドックのオプションとして「脳ドック」以外に「頚椎ドック」が行われています。
6.まとめ・あとがき
いかがでしょうか。
それでは、ここまでの記事の内容をまとめます。
まとめ
- 脊髄が損傷してしまう原因として、スポーツ中の怪我や交通事故による外的要因と、高所からの落下を主に挙げました。
- 脊髄損傷の種類として、脊髄が完全に損傷し下半身などが完全に麻痺してしまう完全損傷と、脊髄の一部の機能が残っている不完全損傷の2つを挙げました。
- 脊髄損傷による合併症として、呼吸器・循環器・消化器の不調をあげました。 このうちどの症状であっても、鍼治療によって症状の改善が期待できます。
ここまでを読んで、鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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