【強迫性障害の治療法3選と鍼灸】
〜心の病にも鍼灸は効果的!〜
みなさんこんにちは。
今回は強迫性障害について解説します。
この記事では、そもそも強迫性障害とはどのような症状が出るのか、強迫性障害が鍼灸とどのように関係しているのかについてお話します。
この記事を読むと、強迫性障害の患者さんはもちろん、そのご家族やご友人、強迫性障害や鍼灸について深く知りたい方は特に有益な情報を得ることができます。
それではまず、強迫性障害とは何かについて解説します。
強迫性障害とは、強い不安もしくはこだわりによって、日常生活に何らかの差し障りが出る病気のことです。
強迫性障害になると、ちょっとした行為が頭から離れず、つきまとうような感覚を覚えます。
ちょっとしたその行為は、放置しても安全なことを自覚していることがほとんどです。
しかしながら、その行為を放置することなく、何度も確認してしまいます。
このように、つい行為の安全性や信ぴょう性を確認してしまう行為が、強迫性障害の主な症状です。
強迫性障害の例としては、以下のようなものがあります。
洗浄・不潔強迫とは、汚れ・細菌・ウィルスなどが付着していないか何度も確認してしまうことです。
たとえば、細菌やウィルスが自分についているかもと思い、過剰な手洗いや入浴を繰り返してしまう行為や、ドアノブや手すり、つり革などが汚れていると思いあえて触らない行為などが該当します。
加害強迫とは、実際には自身が関与していない事件や事故に、自身が関与していると思い込んでしまうことです。
例えばある事件が起こったときに、その事件の犯人は自身ではないかと警察や消防などに確認してしまう行為や、自転車を運転中に人をひいてしまったかもと思い、止まって確認することを繰り返すことなどがあげられます。
いかなる時も自身の決めた手順で物事を行わないと気が済まないことです。
たとえば、いつも通る道が明らかに工事中で通行止めになっているにもかかわらず、その道を通りたくて仕方がないため、別の道を通らず工事の作業員の方に通ってよいのか確認する行為などがあげられます。
数字に対して極端なこだわりを持つことです。
たとえば、不吉な数字や幸運な数字に、占いやげん担ぎを超えたレベルで拒否反応・好反応をしてしまうことなどが挙げられます。
必ずものは線対称になっていないと気が済まない考えや、日本語表記が縦書きだと気持ち悪く感じ、横書きに強引にでも修正しようとする行為などがあげられます。
認知行動療法について、詳しくはこちらの過去記事でご紹介しています。
さらに、認知行動療法とともに暴露療法という治療が主に併用されます。
暴露療法についても先ほど挙げた過去記事でご紹介しています。
これらの治療法によって、ある行為に対する強い不安を弱めたり、強迫行為を行わずに済むことが期待できます。
強迫性障害の多くの患者さんはうつ病や不安障害、統合失調症などの心の病を併発しています。
心の病を併発している多くの場合では、SSRIという抗うつ薬が用いられます。SSRIは、セロトニン再取り込み阻害薬と訳されます。
セロトニンについてはすでにこの記事でご紹介していますとおり、人間の興奮状態を司る大切な物質です。
先程述べた抑うつの症状は、セロトニンの欠乏によって引き起こされるという仮説があります。
この仮説によると、抑うつの症状が出る仕組みは次のように説明できます。
まず、脳内にあるシナプスという部分から興奮を司るセロトニンが放出されます。
放出されたセロトニンは隣のシナプスへ移動を始めますが、何らかの原因で移動できなくなってしまった場合、セロトニンは元いたシナプスへ戻ってしまいます。
このように、セロトニンが元いたシナプスに戻ってしまう作用のことを、セロトニン再取り込み作用といいます。
セロトニン再取り込み作用が働いた結果、セロトニンがうまく移動せず興奮が伝わらないため、抑うつ状態になってしまうというのがこの仮説の説明です。
このセロトニン再取り込み作用を阻害、つまりセロトニンをうまく移動させ抑うつ状態から守るのが、先程述べたSSRIの役割です。
つまりSSRIを服用することで、セロトニンは正常に移動することができ、抑うつ状態を抑えることができるのです。
rTMS治療とは、磁気による脳への刺激により脳の部位を活性化させ、脳血流を増加させることで強迫性障害を治療できるという、記事執筆時点で最新の治療法です。
先程ご紹介したSSRIなどの投薬治療には、吐き気や腸機能の低下による下痢・便秘などの副作用を伴う場合があります。
rTMS治療はこういった副作用がほとんどなく、薬物治療より安全に治療ができる点が大きなメリットです。
またrTMS治療は治療期間が短く、長くても1ヶ月半しかかからず、さらに手術でほとんどの場合に必要な麻酔も行わず、かなり手軽に施術ができます。
ただし、欧米で誕生したrTMS治療を行える医療機関がまだ日本国内では少なく、道内で施術を行える医療機関がまだ数少ないのが大きなデメリットといえます。
強迫性障害などの心の病にかかると、考え事をする機会が増える傾向にあります。
特に強迫性障害の場合ですと、例えば洗浄・不潔強迫ならば「誰かの雑菌がついた手すりに触ることで、自身が感染症にかかったらどうしよう」など、つい色んなことを考えてしまいがちです。
こうした考え事をする機会が増えることで、心だけではなく筋肉にも大きく負担がかかります。
具体的には、全身の筋肉のうち後頭下筋群という部位が硬くなることが多いです。
鍼治療には、この筋肉の緊張をほぐすことで心の緊張をほぐす狙いがあります。
心の不調は、身体の不調に直結します。
鍼治療が直接的に強迫性障害を治療することは叶わずとも、強迫性障害により体の部位にかかる負担を軽減することは十分可能です。
ぜひ当院で、認知行動療法や投薬治療などと併用し、鍼治療をお試しいただければ幸いです。
いかがでしょうか。
それでは、ここまでの内容をまとめます。
まとめ
ここまでを読んで鍼治療を受けてみたいという方は、当院にお任せください。
札幌・小樽・江別にある当鍼灸院では、在宅診療も行っております。
詳しくは下記よりお問い合わせください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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